【導入事例】「対話」を通して気づけた互いへの期待。組織における役割を再発見するきっかけに
社員のマインドや連携力をより高めるため、ポジティブ チェンジ・コーチングを実施。社員、管理職、そして経営者自身の意識をも変えた『対話プロセス』による気づきとは。
導入プログラム
ポジティブ チェンジ・コーチング
成果
・経営者:社員からの期待が自分の理解と乖離していた点にポジティブな驚きがあり、経営者としてのあり方・役割・社員との関わり方を再考するきっかけになった。
・マネージャー層:自分に対する期待が明確になることで不安が減少し自信が生まれ、組織運営に貢献できるという自己効力感が高まることで行動が変化してきた。
・社員:自分の持つ力・強みとその発揮に対する他社員からの思いがけない期待が自信に繋がった。お互いに思っていることを率直に伝え合っても大丈夫なのだという実感を得て、一部メンバー同士の関係性が一歩進んだ。
課題
・地域により一層必要とされ今後100年以上続く組織を目指し、経営者としてより善い組織づくりを模索されていた。
・その中で、経営者の期待と社員の行動にズレがあり、人材育成の必要性を感じていた。
実行施策
STEP 1:現状の把握(全社員に個別インタビュー)
STEP 2:組織作り、人材育成の要点について経営層へフィードバック
STEP 3:チームミーティングのデザイン
STEP 4:現状の認識共有/自分たちで組織を作る意識作り(全社員でチームミーティング)
STEP 5:グランドルール策定/マネジメントとしての役割明確化(総括の幹部ミーティング)
ご担当者様へのインタビュー
ーーポジティブ チェンジ・コーチングを導入したきっかけはなんでしょうか?
高野さん:元々コーチングというものに興味がありまして。社内の人材育成に悩んでいたこともあり、コーチングを学んで人材育成に活かそうと、池田さんが講師をされているコーチング講座を生徒として受講しました。ですが自分で社内に取り入れるのはなかなか難しく…池田さんに支援の相談をしました。
池田:なぜ私に依頼してくださったか、伺ってもよろしいですか?
高野さん:本音をいうと元々は、コーチという職業の方の言葉を信じきれない自分がいたんです。会話をしていても、なにか誘導されているように感じてしまい…。でもコーチング講座での池田さんには自然体で導いてくれる印象を持つことができました。
誰かに教わるのではなく”自分たち”でより良い組織を作るために重要な『対話プロセス』
ーーどのような課題をお持ちでしたか?
高野さん:社員は障がい者支援のプロフェッショナルですし信頼し合えています。ですが、社会人基礎力やビジネスパーソンとしてのマインド、スキル面を学ぶ機会が多くはなかったであろうメンバーもいるので研修みたいなことができないか?という相談をしました。
>相談を受け、どのような提案をしたのでしょうか?
池田:いきなり外部の人間が「社会人とはこうあるべきです」などとティーチングをしても良い変化は起きないのではないかと感じたことと、もう一つは、経営者である高野さんの目線とは別に社員の方々がどう考えているのかも聞く必要があるかなと思いました。
そこで、まずはそれぞれの現状認識をすり合わせた上で、組織をより良くするために必要なことを経営者の高野さんはじめ当事者である社員全員で話し合う”対話のプロセス”を持つことを提案しました。
>それで「全社員インタビュー」というプロセスからスタートを?
池田:はい。高野さんがよく決断なさったな、と。勇気のいる決断でしたよね?
高野さん:池田さんだからかもしれません。この方だったら社員の良い面を引き出してくれそうだなと思えたので。
>インタビュー実施後、経営層にどのような内容をフィードバックしましたか?
池田:エボシライン様の組織として強みだと感じられること、感じている課題感、その二つを踏まえて、組織をより良くするための要点をフィードバックしました。
>社員の皆さんの想いを聞いて、いかがでしたか?
高野さん:私自身、人に褒められても信じられなくて…本音かなぁ?と。でも逆に「もっとこうした方がいい」という声はすんなり受け入れられました。
池田:どんな声も受け止めるという、経営者としての覚悟にはリスペクトを感じています!
>コーチとして客観的に感じたエボシライン様の強みはどのようなものでしょうか?
池田:皆さんお仕事に誇りを持っていて、障がい者支援に対して強い想いを持っていらっしゃる。当たり前のようでいてそうしたメンバーが揃っている企業って実はそんなに多くないので、ものすごい強みです!!と熱弁しました。
高野さん:その言葉は信じました(笑)。
>お二人の関係性の良さが伺えますね。
高野さん:私はまったく関わりのない人に仕事を頼もうとは思わないんです、社員採用もそう。人となりを知った上でないと一緒に仕事はできないです。
周囲からの期待を知ることで、自分が会社に貢献できるという自信に。
>一連の施策実施後、社内にどのような変化が見られていますか?
高野さん:劇的な変化というよりは日常業務の会話の節々に、今までは無かった言葉や行動が見られるようになっています。
ワークショップの中でお互いの良いところを伝え合うセッションも行われたのですが「自分にそんな良いところがあったんだ」と気づくことで、それを活かそうとしているように見えますね。
中でもマネージャー層は、より自分たちが責任を持って仕事を進めていこうとしてくれています。私に対する要望の中に「ひとりで抱えないでほしい、私たちも一緒にやらせてください」という言葉もありました。
池田:期待していること、仕事上の感謝、相手の強みなどを自分たちで対話する機会ってなかなかないじゃないですか。それを互いに受け取ったときに良い反応が生まれる。エボシラインの皆さんは信頼関係がベースにおありで、優しいがゆえのちょっとした遠慮があるのかな、と。
例えば「自分は業界経験が浅く、まだまだ役に立てていない・・」と、もしかしたらご不安に感じられていた方がいて、でも「異業界での経験が貴重なのでぜひ活かしてほしい」という周囲の本音を聞いたことで「私の経験が役に立つんだ!」とポジティブな驚きがあったり。それぞれが、こうやって会社やチームに貢献していけばいいんだ!とより自信を持てたのではないかと思います。
社員の本音を聞いた経営者自身が率先して行動を変えることで生まれた変化
>経営者である高野さん自身のあり方にも何か変化がありましたか?
池田:実はワークショップの中で、期待している役割として高野さんに「経営者としてのリーダーシップ、環境作り」という声が多く集まったのですが、「そうか、こういうことを期待されているのか。業務上のアドバイスとかじゃないんだなぁ。」とポツリと言われたことがとても印象的で。
高野さん:これをきっかけにプレイングマネージャーを辞めることにしました!任せるところは任せようと。働きやすい職場作りを、という社員からの期待を聞けたので今後はそういった面に注力していきたいなと思っています。
池田:高野さんからマネージャーのお二人に対し「ゆくゆくは経営者として育っていって欲しい」と伝えるプロセスもありましたよね。私から客観的に見て、お二人にとっても何かが変わるきっかけになれたのかなと。
高野さん:私のような経営者になる必要はなくて、自分たちらしい形を目指していけばいいと思っています。
みんなで褒め合う。それが不安を抱える障がい者の方の就労支援にもプラスに活きていく。
>ポジティブチェンジ・コーチングを導入した感想と今後の展望をお聞かせください。
高野さん:やって良かったなと思います。社員にはワークショップで知れた自分の強みを活かしてほしいし、みんなでもっと褒め合っていきたいなと。「トライしてみて良かったね」「あなたのこういうところが良いと思う」と声に出していけばもっともっと大きな力になっていくと思うので。
>個の力を関係性の中で最大化させていくことが、組織の力に繋がっていくと。
高野さん:はい、そして仕事そのものに繋がっていくと思っています。障がいを持たれた方の中には自信を無くしている方もいるので、まずは社員同志で互いに良いところを伸ばしあって、それを対利用者の場面でも活かしていく。自信を持って社会に出ていってほしい。それが最終的なビジョンですね。
>最後に。
高野さん:うちの会社、魅力ありますか?!
池田:たくさんあります!それらの魅力を更に最大化すべく、今後も高野さんとの1on1を中心にサポートを継続させていただきます。
>ありがとうございました!
『一般社団法人エボシライン』について
〜すべての人が安心して暮らせる地域であるために〜
障害がある方の就労を支援しています。
・所在地:神奈川県茅ヶ崎市共恵1-6-20 ベルジュール・ワキ201
・代表理事:高野宏章
・設立:2019年
・事業所:ちがさきエボシライン(就労移行支援・就労継続支援B型・就労定着支援