【開催レポート】共創型リーダーシップ開発 公開講座 第三回(最終回)~理想のリーダー像を見つけ、実践につなげる~

はじめに
「共創型リーダーシップ開発 公開講座(全3回)」は、組織や個人がより効果的なリーダーシップを発揮するための基礎を体験的に学べる場として企画されました。
本講座は、半年から1年をかけて実施する標準プログラム(「共創型リーダーシップ開発研修プログラム」)の一部を抜粋し、オンラインで2時間半×3回にわたり開催するものです。
今回も、90分の中で複数のワークショップを通じて自己理解を深め、参加者同士で学び合う場が提供されました。
「リーダーとしてどうあるべきか?」
「メンバーとどのように関わっていくか?」
この問いに向き合い、自分自身のあり方とメンバーとの関係性を見つめ直す全3回の講座が、ついに最終回を迎えました。
今回のテーマは「Beingマップを活用し、リーダーシップを実践につなげる」です。
「チームのまとまりが悪くなっている…」
「メンバーのストレスが増え、退職の危機を感じる…」
「異動先の新チームで、信頼関係をどう築くべきか?」
参加者の皆さんが抱えていたリアルな悩みに対し、どのような気づきや変化が生まれたのでしょうか?
参加者について
参加者は3名で、企業のマネージャーや個人事業主といった立場の方々が集まりました。
チェックイン:今の気持ちと、本日得たいもの
セッションの冒頭では、参加者が現在の課題を共有しました。
新人リーダー:チームメンバーがストレスを抱えており、退職の危機。Beingマップを活用し、自分自身の状態を整理して向き合いたい。
中小企業のリーダー:新年度の体制変更に伴い、メンバーの気持ちにどう寄り添うかを模索中。今日は自分自身を大きく変えるきっかけにしたい。
営業リーダー:異動を控え、新チームの育成を任されている。共創型リーダーシップが役立つのではと期待。
「この場があることが心強い」 そんな声も聞かれ、学びを深める意欲に満ちたスタートとなりました。
自分の「Beingマップ」を作成し、課題と向き合う
Beingマップとは?
リーダーとしての「あり方(Being)」を整理するツールです。
- 目指すリーダー像を明確にする
- 現在の状態を振り返る
- ギャップの原因となる固定観念を見つける
- 行動の方向性を決める
このプロセスを通じて、参加者の皆さんは「無意識の思い込み」や「リーダーとしての壁」に気づきました。
Beingマップによる気づきと変化
- 中小企業のリーダー:「チームがまとまりにくいのは、私の中に”嫌われたくない” ”間違っていたらどうしよう”という思いがあるからかも」
講師からのコメント:こたえは誰にも分からないから、「正しい・正しくない」ではなく「どうすればチームのためになるか」を考え、勇気を持って発信することが大切。
- 新人リーダー:「特定メンバーのストレスが増えているが、どう関わればよいかわからない」
講師からのコメント:「今の経験が本人の成長につながることを伝え、強みを言語化することで自信を持てるようにする」ことが重要。
- 営業リーダー:「異動後のチームメンバーを、先入観で見てしまいそう…」
講師からのコメント:「初対面の印象にとらわれず、”どう考えているか”を聞く姿勢が信頼関係を築く第一歩」
共創型リーダーシップを実践するための2つのスキル
共創型リーダーシップを身につけるためには、大きく4つのスキルが求められます。
本講座では、その中でも特に重要な「傾聴スキル」と「フィードバックスキル」の2つに焦点を当て、実践的な学びを深めました。
1. 傾聴スキル:リーダーシップの土台となる「聴く力」
傾聴とは、単に話を聞くだけでなく、「耳」と「目」と「心」を相手に向け、相手が本当に伝えたいことを受け止めることです。
目的は、メンバーが安心して本音を話せる関係性を築くこと。心理的安全性を確保するためにも、リーダーにとって欠かせないスキルです。
① 聴く側のあり方
- 相手の存在を承認し、ありのままを受け止める
- 評価・同意・比較を含まず、ニュートラル(中立的)であることが大切。
- 先入観が出そうになったら、一旦脇に置くイメージで傾聴する。
- 「受け止める」と「受け入れる」は違う
- 「受け止める」:自分の見解・評価・他者との比較を脇において、相手の意見や感情を理解し、尊重する。
- 「受け入れる」:相手の意見に同意することを含む。傾聴は必ずしも「受け入れる」必要はない。
② 具体的な傾聴スキル
- 言語的傾聴(会話の流れを作る)
- 相槌:「はい」「そうなのですね」など。
- オウム返し:「嬉しかったのですね」「つらかったんですね」など、感情を拾って返す。
- 接続詞を工夫する:「それで?」「他には?」などで会話を深める。
- 要約・言い換え:「つまり、○○ということですね」と要点を整理する。
- 非言語的傾聴(態度で示す)
- 観察:仕草、表情、目線、言葉と態度のギャップ、テンションの変化などに注意を払う。
- ペーシング:相手のテンポや話し方に合わせることで、安心感を与える。
- 沈黙を活かす:相手の考える時間を奪わず、思考を整理する余裕を持たせる。
③ 参加者の気づきと実践したいポイント
- 「オウム返しはしていたが、感情を拾うという視点をすぐに取り入れたい」
- 「接続詞の使い方をもっと意識したい」
- 「相手が感情を表明しやすいような質問を意識してみたい」
- 「顧客にはできていたのに、部下に対してはできていなかったことに気づいた」
※ 本講座では、面談で使える質問集を講師からメールで案内しました。
2. フィードバックスキル:リーダーとしての成長支援スキル
リーダーが適切にフィードバックを行うことで、チームの成長を促し、メンバーが主体的に学び、行動できるようになります。
① フィードバックの目的と必要性
- 目的:相手の目標達成と成長を支援するための「ギフト」
- 重要性
- 「正解のない課題」に対して学び合う風土を作ることが、組織の成長の源泉になる。
- 「パワハラ」「モラハラ」に対する意識の高まりの中で、管理職が適切にフィードバックできるスキルを持つ必要がある。
② フィードバックの2種類
- ポジティブフィードバック(6~7割)
- 目的:好ましい行動を強化し、相手の長所や強みを伸ばす。
- 方法:相手の行動を具体的に言語化し、「なぜ良かったのか」も伝える。
- ギャップフィードバック(2~3割)
- 目的:目標達成のための軌道修正を促す。
- 方法:行動の修正点を具体的に伝えつつ、改善策を一緒に考える。
③ 具体的なフィードバックの進め方
- 前置きを入れる:「○○について気づいたことがあるので、伝えてもいいかな?」(相手の受け入れ態勢を作る)
- 情報を伝える
- 主観的に伝える:「私には○○に見えた・感じた・伝わった」
- 客観的事実を伝える:「昨日の締め切りの資料が未提出だったね」
- 相手の反応や認識を確認する:「どう思う?」「どう感じた?」
- 立て直しの支援策を一緒に考える:「どういう時に起きる?」「どう改善したら良さそう?」
- 継続的なフォローアップを行う
④ スイカ割りの例(フィードバックの大切さ)
メンバーが目標(スイカ)に向かって進んでいるとき、何も言わずに見守るだけではなく、「あと3歩右!」と具体的なフィードバックをすることで、成功に導くことができる。
フィードバックを出し惜しみせず、適切なタイミングで伝えることが重要。
⑤ フィードバックのポイント
- What(何をフィードバックするか):対象は「行動」(相手が変えられること)。
- When(いつ伝えるか):できるだけ早く、タイミングを逃さない。
- How(どう伝えるか)
- データや事実に基づいて具体的に(思い込みではなく)
- 感情を込めて、率直に伝える
傾聴スキルとフィードバックスキルは、共創型リーダーシップを実践するための基盤となるスキルです。
参加者の皆さんは、この学びをすぐに実践に移すための具体的な方法を持ち帰りました。
講座のまとめ&参加者の声
最終回を終えた参加者から、こんな言葉が聞かれました。
新人リーダー:「リーダーとしてのあり方が明確になり、チームメンバーへの関わり方がクリアになった。」
中小企業のリーダー:「”できない自分”を分析し、課題感を捉えられた。フィードバックこそが本当の優しさだと気づいた。」
営業リーダー:「異動というタイミングで学べたことが、今後のリーダーシップに活きると感じた。」
「今までのリーダーシップを見つめ直し、成長できる機会だった」 そんな声が多く、学びを実践につなげる意欲が高まっている様子でした。
次のステップ:Relationマップでアクションを明確に
最後に、講座の学びを実践につなげるため「Relationマップ」を作成しました。
✔ 目指す姿(Beingマップから転記)
✔ 最初の行動(スモールステップを決める)
✔ 成功のイメージ(実践した後の変化を想像する)
これを基に、講師とのフォローアップコーチングで具体的なアクションに繋げます。
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本講座を通じて、多くのリーダーが「理想のリーダー像を明確にし、実践につなげる力」を手にしました。
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